理事長所信

【はじめに】

「新しい日本の再建は我々青年の仕事である」。昭和半ば、戦後の荒廃した日本で始まった青年会議所の運動は、現在日本全域で展開されています。私たちの活動する(社)甲府青年会議所も1951年の設立以来、歩みを止めることなくこの地域の「明るい豊かな社会」を目指し、運動を展開してきました。

この間、私たちの活動する山の都では、人口、産業、自治体において様々な変化がありました。昨年の、甲府市の中核市への移行、県知事選挙、そして甲府開府500年に関わる諸事業の開催は、記憶に新しいことかと思います。本年は、東京オリンピック・パラリンピックにおける自転車競技の県内開催や、中部横断道の静岡との接続が予定されています。そして、来年には信玄公生誕500年、2027年にはリニア中央新幹線の開通と、今後も地域へ影響をもたらす様々な出来事が控えています。

一方で、地方創生の政策から進められる各自治体の取り組みに反し、日本の地方部における人口減少は進行し続けています。またこの山の都においても都市部への人口流出や出生数の減少、高齢者比率の増加により、産業やコミュニティの担い手が減少し、後継者がおらず廃業する企業や、維持が困難になってきた自治体も出てきています。

この絶え間なく続く変化を、私たちはどのように受け入れていくべきなのでしょうか。多くの人が、この変化を、時代の中で移りゆく単なる出来事としてとらえ、自分ではない誰かがやればいいと考えているのではないでしょうか。

エネルギーやコンピューター技術の発展とともに、産業の変革、そして社会構造の変革がもたらされ、社会の在りようや人の心も、その変革に導かれるように移り変わってきました。第四次産業革命の時代とも言われる現代、私たちの回りは非常に多くの情報で溢れています。電波通信網の発展やスマートフォンの普及が進み、老若男女問わず、私たちはどこにいても指先一つで様々な情報を得られるようになりました。一人でいても誰かと繋がることができ、インターネットを介することで、大抵のものは安く、確実に手に入る生活。近隣の他者と関わることなく、個人の生活を十分完結させられるようになりました。時代の流れに身を任せて、自分のことだけを考え、生きていくこともできるようになりました。

しかしながら、個人の生活から一歩進んで、自分の家族や友人がこの地域でどのように生きていくかという未来のことを本気で考えたとき、「ただ身を任せればいい」「誰かがやればいい」ではなく、「なんとかしなければ」という思いに駆られるのではないでしょうか。

「自分ではない誰かのために」という責任感、そしてそこに全力を尽くす情熱。社会の変化は、この責任感と情熱を持った人たちの手によって成し遂げられてきました。

私たち青年会議所の会員も、この責任感と情熱を持った人材の集合です。そして青年会議所は、かけがえのない仲間、愛する地域とそこに住む人々の幸せを思い描き、それを糧として心を燃やし、この地域のために邁進していくことができる、素晴らしい団体であると思います。だからこそ、私たちは責任感と情熱を持って「まちづくり」に参画し、社会の担い手を育てるために「ひとづくり」を行い、それらを未来においても実践し継続することができる「組織づくり」を行わなければなりません。蓄積したものを紐解き、自問を繰り返して自分たちの存在意義を再定義しながら一心に活動し、成果を残し、検証していくことで、持続可能な山の都、そして「明るい豊かな社会」の実現を目指して邁進していく必要があります。

【まちの探索】

私たち(社)甲府青年会議所は、これまで、この地域の一員として、様々な地域の魅力を発掘しながら愛郷心を広める運動を展開してきました。この地域の未来を考え、持続可能な地域を作り上げていくためには、そこに住む人々が、自分のためだけではなく「この地域のために」と思い、活動していくことが重要です。地域を愛し、何かしようと思っていただける方を増やしていく必要があります。地域への愛着は、ただそこにいれば生まれるものではありません。そこに住む人々や、その地域の魅力を実感してこそ生まれるものであると考えます。

一方、本年のオリンピックや、将来のインフラ整備から来る交流人口の増加に向けて、この地域の魅力を積極的に発信していく必要があります。その中で、草の根の発信が持つ影響力が増している現在においては、新たな地域の魅力を作り出すことではなく、私たち地域住民自身それぞれが地域の魅力を知り、魅力として伝えられることも非常に重要となります。

様々な会員を擁する私たちだからこそ、各人の住み暮らす地域を実際に巡り、小さな課題や魅力を共有することができます。その先で、地域の魅力的な姿をどのように伝えていくかを考えることで、住民が愛し、外部へと誇れる山の都の形成につなげていきます。

 

【青少年の育成】

今を生きる青少年の生活は、10年前、20年前と比べて多くの情報に彩られています。スマートフォンを操作してインターネットに接続し、さまざまコンテンツに触れています。このようなオンラインに費やす時間が増えている一方で、核家族化や兄弟数の減少、地域づきあいの希薄化など、周囲との関わり合いや実体験の機会は減少しています。

AIや技術がどれほど進歩していったとしても、地域を担うのはやはり人です。未来の山の都が持続していくために、未来を担う青少年には、思いやりと愛郷心を持った、他者を支えられる人物へと成長していただき、将来のコミュニティを支える一員となっていただくことが必要です。

思いやりも愛郷心も、座学やインターネットの情報だけで育めるものではありません。実体験を通じて様々な人と関わり合い、経験を積むことで、少しずつ身についていくものです。子どもたちに対し、この地域で得ることのできる様々な実体験の機会を提供し、思いやりと愛郷心を育んでいきます。

 

【会員拡大への取り組み】

かつては会員数300人を超えた甲府青年会議所ですが、ここ数年、100名前後の会員数での年度スタートとなっています。共に活動する仲間を増やすことは、ただ組織を維持するためでなく、地域社会へより強く運動を展開していくために必須です。

私たちの活動は「青年会議所が行っている」ことをなかなか認知されていない現状があります。異業種交流会や対内外への事業PRを通じた拡大戦略を立てていくことが重要であると考えます。そして、現役会員同士の交流を通じ、JC活動への思いや経験の継承を行いながら、会員全体に会員拡大への情熱を高めていけるように意識の共有をはかっていきます。

 

【ビジネスを軸とした会員間の交流】

この(社)甲府青年会議所は、多種多様な職種から構成される、青年経済人の集まりです。会員の力を合わせたとき、地域経済への影響力は多大なものとなります。青年会議所活動は個々の商売のために行われるものではありませんが、それぞれの青年経済人としての成長は、この地域のさらなる発展にもつながります。

また、(社)甲府青年会議所の活動における各会員の役割というものを職業から考えたとき、それぞれの職種だからこそ持っている技術や知識が活かされる場面、担い果たせる役割というものも存在します。事業の実行に際し、信頼する仲間同士がそれぞれの特色をより明確に知っていたならば、それぞれの強みを活かした連携を取ることができ、より大きな成果を生み出すことができるはずです。

それぞれの背景にある「仕事」を知り、互いに高め合うことで会員間の交流と青年経済人としての成長を促進し、組織の強化を図ります。

【組織の戦略的広報】

どんなに素晴らしい活動であっても、その素晴らしさが伝わらないことには他者を巻き込み難く、賛同者を増やしていくことは困難です。明るい豊かな社会の実現に向けて活動していくためには、私たちの活動が広く地域に伝わり、その効果が波及していくよう発信しなければなりません。様々な情報が溢れている現在においては、「どうしたら届けたい対象へと情報を伝えられるか」が大きな課題であります。

それぞれの委員会が、多くを懸けて構築した事業、その事業への思いが、大量の情報の中に埋もれることなく伝えられるよう、様々な手段を試しながら、今の時代に即した発信方法を確立していくことが必要です。外部へ(社)甲府青年会議所の魅力を伝えるために、会員がさらに青年会議所活動へ邁進していくために、活動と思いを発信する手法を考え、試し、検証することで、効果的な発信方法を構築していきます。

 

【諸会議運営と例会管理】

青年会議所は会議をする団体であり、活動の根幹をなすものは委員や理事たちによって行われる諸会議や委員会です。 そして、その活動の集大成として毎月の例会が存在します。

会員が日々の活動に打ち込み、最大限の成果を出せるよう、私たちは会議の内容、その質に対しては徹底的にこだわっていかなければなりません。

昨今の働き方改革の中でも求められる生産性の改善を考えながら、資料配信、議事録作成などの会議の環境、各種備品管理や事務局の整頓などの活動環境を整備し、会員が会議、例会に打ち込めるよう支えていくことが必要です。クラウドコンピューティングの活用にも取り組みながら、会員が効率的に連携できる環境構築を検討していきます。

また、限りある時間と予算の中で最大限の活動ができるよう、予算配分の精査を、会議を通し多くの目で確認していきます。

 

【出向者の支援・渉外事業への参加】

私たち(社)甲府青年会議所は甲府市・甲斐市・中央市・昭和町の三市一町「山の都」エリアを拠点とする青年会議所の1LOM(Local Organization Member)ですが、山梨県内・県外、日本国外、様々な地域で青年会議所が存在し、それぞれ活動しています。この(社)甲府青年会議所は、(公社)日本青年会議所、関東地区協議会、山梨ブロック協議会の一員として、出向者の輩出や各事業への参画を通じ、その運動展開に一役を担っています。

出向や渉外事業は、参加することで青年会議所のスケールメリットを知る機会であり、他の青年会議所の持つ優れた手法や新たな知見を学ぶ機会となります。また、日本全国にさらなる仲間を作ることができる機会でもあります。それらを出向していない会員へも伝えていけるよう、活動内容の共有、渉外事業への参加の促進、成果の会内への展開を行います。

 

【総合計画の検証】

(社)甲府青年会議所の活動の骨子として「総合計画2016」が存在します、一年の活動はこの総合計画にのっとり立案・実行されていき、各事業の起案から検証までのサイクルを《妥当性》《有効性》《インパクト》《効率性》《持続性》という観点から評価しています。

検証及び引き継ぎができる組織を構築するために、5か年計画の4年目となる本年においても総合計画にのっとり事業が行われ、5年目へと引き継いでいけるよう、各事業の検証を行います。

 

【甲府青年会議所創立70周年へ向けて】

2021年に甲府青年会議所は創立70周年を迎えます。1951年の設立以来、行政、個人、団体問わず、様々な方々と関わりあいながら活動し、その積み重ねとして69年目の今日があります。70周年は一つの節目となります。これまで行われてきた周年の事業を踏まえながら、2021年において誰へ向けて何を伝え、どのようにその先を歩んでいきたいかをしっかり発信できるよう、道筋を作り上げていかなければなりません。有識者による準備検討と、会員に向けた節目への意識付けを行っていくことで、滞りなく2021年を迎えられるよう、そして次の80周年、90周年、100周年とさらに先を見据えていくために、しっかりと準備を行います。

 

【最後に】

青年会議所には可能性があります。活動に参加すればするだけ、私たちに多くの恩恵を与えてくれます。しかしながらその恩恵は、まず踏み出さなければ決して得ることのできないものです。

まず、一歩だけ踏み出してください。その先には、かけがえのない仲間との出会いが、そして素晴らしい地域の未来像があります。それが私たちの心に火をつけ、足をさらに一歩、もう一歩と進めてくれます。

自分も、世界も変えていける、まずはその一歩から。

最終理事会が開催されました。
最終理事会が開催されました。

12月19日(土)に2020年度(社)甲府青年会議所 最終理事会がホテル談露館のクリスタルにて開催されました。今年度おこなった例会・事業の報告の審議をはかり、すべての議案が審議可決しました。 最後に理事役員全員で挨拶を行い、今年のスローガンの横断幕に全員でメッセージを書いて細田理事長に渡しました。   本年度の(社)甲府青年会議所の活動にご協力ご参加いただいた地域の皆様、会員の皆様に感謝を申し上げます。引き続き、2021年度の活動にも変わらぬご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。...

理事長所感(12月)
理事長所感(12月)

 2020年も残りを数えるばかりとなりました。一般社団法人甲府青年会議所2020年度の終わりを迎えるにあたり、本年の活動に対しご理解ご協力を賜りました皆様に対し、心より感謝御礼申し上げます。  私個人としても青年会議所の特色の一つである40歳での「卒業」を迎える年であり、年末31日をもって様々な区切りを迎えることになります。社会的には区切りの見える状況でもないのですが、その中で年間事業の着地を迎えるということで、あらためて青年会議所活動の意義について考える機会となりました。...

12月例会(卒業式・納会)が開催されました。
12月例会(卒業式・納会)が開催されました。

 12月5日(土)一般社団法人甲府青年会議所は12月例会(卒業式・納会)を開催しました。 本年は新型コロナウイルスの感染対策としまして現役会員のみでの開催とさせていただきました。  今年は10名の卒業生門出を祝うとともに、卒業生からのメッセージや想いを現役会員全員で受け継ぎました。  第二部の納会では2020年度の活動を各会議体・委員会ごとに映像で振り返るとともに、次年度理事長予定者へのプレジデンシャルリースの伝達と2021年度理事三役予定者への理事三役バッジの伝達式を行い、2021年度への引継ぎを行いました。...

11月例会(事業案協議)を開催しました
11月例会(事業案協議)を開催しました

11月12日(木)に山梨県防災新館オープンスクエア にて11月例会(事業案協議)を開催しました。2021年度理事役員予定者の紹介をがおこなわれた後に、三澤眞人理事長予定者が会員の前で2021年度の活動方針を説明しました。 続いて、副理事長予定者・専務理事予定者がそれぞれのグループに所属する会議体・委員会の事業内容を上程しました。...